2026年11月4日
春日若宮おん祭はいつ?|2026年は12月15日(火)〜18日(金)。1136年から続く奈良の冬祭り

春日若宮おん祭は、毎年12月15日から18日まで。2026年は12月15日(火)〜18日(金)で、中心となるお渡り式は12月17日(木)です。
奈良の春日大社にある若宮(わかみや)という神社のお祭りです。1136年に始まり、今年で891回目。一度も途切れることなく続いてきたと案内されています。
このお祭りのまんなかにあるのは、若宮さまが本殿を離れて過ごす、たった一日。その一日を中心に、はじめての方へやさしく紹介します。
この記事でわかること
- おん祭はいつ、どんなお祭りか
- 飢饉と疫病のなかで始まった由来
- 4日間の流れ
- 昼の行列「お渡り式」の見どころ
- 夜まで続く芸能の奉納
- 見に行くときのこと
飢饉と疫病のなかで始まったお祭り
春日大社の公式サイトによると、長承年間(1132〜1135年)には大雨や洪水による飢饉が続き、疫病も広がっていました。人々を救うため、上皇や関白の藤原忠通(ふじわらのただみち)らが、若宮さまの御加護を願ったといいます。
1135年に今の場所へ御殿が造られ、翌1136年、春日野に御神霊を迎えて祭礼を行いました。これがおん祭の始まりとされています。
国の重要無形民俗文化財にも指定されています(1979年)。
4日間の流れ
春日大社のおん祭公式サイトの行事案内から、おもなものを抜き出しました。時刻は毎年の目安です。
- 12月15日:大宿所詣(おおしゅくしょもうで/午後1時)、御湯立(みゆたて)によるお祓い、大宿所祭(午後5時)
- 12月16日:田楽座の宵宮詣(午後3時)、宵宮祭(午後4時)
- 12月17日:遷幸の儀(せんこうのぎ/午前0時)、お渡り式(正午)、御旅所祭(おたびしょさい/午後2時半)、還幸の儀(かんこうのぎ/午後11時頃)
- 12月18日:奉納相撲(午後1時)、後宴能(ごえんのう/午後2時)
暗闇のなかで始まる、若宮さまの一日
12月17日の午前0時、若宮さまは本殿から御旅所(おたびしょ)へ遷されます。御旅所とは、お祭りのあいだ神さまが滞在する場所のこと。この「遷幸の儀」は、暗闇のなかで行われます。
御旅所は一の鳥居の内側にあり、松の木で造られた仮の御殿が建てられます。そして同じ17日の午後11時頃、日付が変わる前に、若宮さまは本殿へ戻ります。
おん祭は4日間ありますが、若宮さまが御旅所にいるのは、この一日だけ。昼の行列も夜の芸能も、この一日のためにあります。
お渡り式:時代が歩いてくる行列
正午に奈良県庁前を出発し、近鉄奈良駅前、三条通を通って御旅所へ向かう行列です。平安時代から江戸時代までの装束をまとった人たちが、奈良の町を進みます。
- 日使(ひのつかい):関白の格式をあらわす、行列の中心となる役
- 巫女(みこ):白い被衣(かずき)をかぶり、風流傘をさしかけられて馬で進む
- 田楽(でんがく):五色の御幣を立て、笛や太鼓を持つ一座
- 大名行列:江戸時代から加わった武家の伝統を受け継ぎ、行列の最後を務める
一の鳥居を入ってすぐ南側にある「影向の松(ようごうのまつ)」の前では、松の下式(まつのしたしき)が行われ、芸能が披露されます。
夜まで続く芸能の奉納
御旅所には、約9メートル四方の芝舞台が小高く設けられ、その左右に大きな鼉太鼓(だだいこ)が据えられます。御旅所祭は午後2時半に始まり、午後3時半頃から10時半頃まで、若宮さまの前で芸能が続きます。
- 東遊(あずまあそび):子どもたちが舞う
- 細男(せいのお):白い浄衣の舞人が、顔を布で覆って舞う
- 田楽:刀玉や高足といった曲芸も
- 舞楽(ぶがく):左舞と右舞を組み合わせて舞う
ほかにも神楽、猿楽、和舞(やまとまい)などが並びます。太鼓の音に興味がある方は、太鼓の種類と音の記事もどうぞ。
見に行くなら
- 沿道で見られます:お渡り式は奈良の町なかを進むので、道ばたから見ることができます
- 座って見たいなら:登大路、松の下、御旅所の3か所に有料の桟敷席があります。奈良市観光協会が2026年12月14日まで予約を受け付けています
- 夜までいるなら:12月の奈良の夜です。あたたかくしてお出かけください
- 天候によって:悪天候のときはお渡り式が中止になることがあります
お祭りの詳しい案内は春日若宮おん祭の公式サイトにあります。同じ12月の夜祭りでは、秩父夜祭も紹介しています。
さいごに
飢饉と疫病のなかで、人々を救いたいと願って始まったお祭りが、約890年たった今も続いています。
もし12月17日に奈良へ行けなくても、この日の真夜中に、暗闇のなかで神さまが動いていることを、ふと思い出してみてください。遠くのお祭りとの、小さなつながりになるかもしれません。