意味
「放下」は投げ捨てる、手放す。「着」は命令をあらわす助字で、「捨ててしまえ」という強い呼びかけです。物や地位だけでなく、プライド、過去の成功、人からの評価、さらには「自分は何も持っていない」という意識まで、まるごと手放せ、という徹底したことばとして説明されます。
出どころ
唐代の禅僧、趙州従諗(じょうしゅうじゅうしん)と、弟子の厳陽尊者(ごんようそんじゃ)の問答として伝わります。「何ひとつ持たずに来たときはどうすればよいか」と問われ、趙州は「放下着(捨ててしまえ)」と答え、「何も持っていないのに何を捨てるのか」と重ねて問われると、「それなら担いで行け」と返した、という話です。『五灯会元』や『従容録(しょうようろく)』などに収められています。
今日の暮らしで
心が重い日に、「いま何を担いでいるか」を紙に書き出してみる。書き出したものの中に、もう置いていいものが、たいてい一つはあります。
参考にした資料
- 『五灯会元』巻四 趙州章
- 『従容録』第五十七則(厳陽一物)
- 全国坐禅会マップ「心に響く禅語20選」 https://zazenmap.jp/articles/zen-words/
このページは禅の教義を解説するものではなく、ことばが一般にどう読まれているかを紹介するものです。解釈は宗派や指導者によって異なります。