Mu

無

む

「ある」でも「ない」でもない。一文字で、判断の手前を指す。

意味

もっとも有名な一文字の禅語です。ここでの「無」は、単なる否定や「何もない」ではなく、有と無、善と悪といった二つに分ける見方そのものを超えたところを指す、と説明されます。書や色紙の題材としても広く親しまれています。

出どころ

公案集『無門関(むもんかん)』第一則「趙州狗子(じょうしゅうくし)」に由来します。「犬にも仏性がありますか」と問われた趙州が、ただ「無」と答えた、という問答です。臨済宗の修行で最初に与えられることの多い公案として知られ、『無門関』の編者・無門慧開(むもんえかい)はこれを「宗門の一関(禅の第一の関門)」と呼んでいます。

今日の暮らしで

ものごとを「良い・悪い」「成功・失敗」とすぐに採点する癖に気づいたら、採点の前に一呼吸おく。白黒つけずに置いておける時間を、少しだけ長くする練習です。

参考にした資料

このページは禅の教義を解説するものではなく、ことばが一般にどう読まれているかを紹介するものです。解釈は宗派や指導者によって異なります。