意味
「妄想することなかれ」。ここでの妄想は、妄想癖のような強い意味ではなく、まだ起きていないこと、もう終わったことについての、ぐるぐるした思いを指します。過去を悔やみ、未来を心配し、目の前のことから心が離れている状態をやめなさい、という呼びかけとして説明されます。
出どころ
唐代の禅僧、汾州無業(ふんしゅうむごう)が、何を問われても「莫妄想」とだけ答えたという逸話が『景徳伝灯録(けいとくでんとうろく)』などに伝わります。問いそのものが余計な思いだ、という応答です。
今日の暮らしで
返事の来ないメッセージを見つめているとき、明日の会議を何度も頭の中で予行演習しているとき。「莫妄想」と三文字で区切ると、いま手を動かせることに戻りやすくなります。心配をやめる、ではなく、心配の再生を一回止める、くらいの軽さで。
参考にした資料
- 『景徳伝灯録』巻八 汾州無業章
このページは禅の教義を解説するものではなく、ことばが一般にどう読まれているかを紹介するものです。解釈は宗派や指導者によって異なります。