意味
「いま、この瞬間」を指すことばです。過去はもう去り、未来はまだ来ていない。実際に生きているのは「而今」だけだ、という見方を二文字で言い切っています。「今」よりも、もう一段強く「ほかのどこでもなく、ここ」と指さすような響きがあります。
出どころ
曹洞宗の開祖・道元の『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』で繰り返し使われることばです。とくに「有時(うじ)」の巻では、時間が過去から未来へ流れるものではなく、一瞬一瞬がそれぞれに完結しているという考えが、この「而今」を軸に語られています。『正法眼蔵』は難解で、解釈は注釈者によって幅があります。
今日の暮らしで
食べるとき、歩くとき、人の話を聞くとき。「而今」と心の中で区切って、スマートフォンを裏返す。それだけで、同じ五分の密度が変わります。
参考にした資料
- 道元『正法眼蔵』有時
- 全国坐禅会マップ「心に響く禅語20選」 https://zazenmap.jp/articles/zen-words/
このページは禅の教義を解説するものではなく、ことばが一般にどう読まれているかを紹介するものです。解釈は宗派や指導者によって異なります。