意味
何かを始めたときの、知らないからこそ素直に見られる心。禅の文脈では、慣れや知識が積み重なっても、そのまっさらな見方を失わないことを指して使われます。英語圏では「Beginner's mind」として知られ、禅の入門書の題名にもなっています。
出どころ
「初心」そのものは古くからある日本語で、能の世阿弥が『花鏡』に残した「初心忘るべからず」で広く知られます。世阿弥の「初心」は、未熟だった頃の芸を忘れないこと、という意味で、禅語としての用法とは少し異なります。禅のことばとして世界に広まったのは、曹洞宗の僧・鈴木俊隆(すずきしゅんりゅう)の英文著書『Zen Mind, Beginner's Mind』(1970年)の影響が大きいとされます。
今日の暮らしで
もう知っていると思っていることを、はじめて見るつもりで見る。毎日通る道、毎日会う人。初心は、始めるときにしか持てないものではなく、何度でも持ち直せるもの、という読み方です。
参考にした資料
- 世阿弥『花鏡』(初心忘るべからず)
- Shunryu Suzuki, Zen Mind, Beginner's Mind (1970)
このページは禅の教義を解説するものではなく、ことばが一般にどう読まれているかを紹介するものです。解釈は宗派や指導者によって異なります。